日本財団 図書館


3)色彩からみた視覚表現の留意点
○色彩は色相(色合い:波長)/明度(明るさ)/彩度(鮮やかさ)の3つの属性によってとらえることができる。

 

○色と色の紐み合わせの仕方によって対象の視認性が大きく異なる。また色彩にはさまざまな心理的・生理的効果があり、それらを視覚表現に活用することが必要である。

 

○明度のレベルと明度対比:図と地の明度の差が大きければ文字図形の視認性は高くなり、差が小さければ視認性は低くなる。また明るい地に暗い文字と暗い地に明るい文字では、同じ明度差であっても視認性が異なることが報告されている。図と地の明るさの条件によって図形や文字の太さが違って感じられる。このことから次の留意点が指摘できる。
1.サインの設置条件に適合した、視認しやすい図形の大きさ・文字の太さを検討する

 

097-1.gif

 

○色相と彩度の対比:同様に図と地の色の組合せの違いによっても視認性が異なる。また視認性だけでなく色彩の持つ連想効果と感情効果(刺激と鎮静、寒色と暖色、進出色と後退色、膨張色と収縮色など)や誘目性などについても考慮し、情報内容と色の関連について指針が求められる。このことから次の留意点などが指摘できる。
1.視認性の悪い色の組合せは避ける
2.重要な情報や安全性に関する情報は、誘目性の高い色相(赤・黄など波長の長い色)で彩度の高い色を使用する

 

4)形状からみた視覚表現の留意点
形の存在だけでなく、形状の区別ができなければ情報内容を伝達することができないことから、次の留意点などが指摘できる。
a.形の弁別性
1.ピクトグラフなどの形状はできるだけ単純でわかりやすく、それぞれの形が他と明確に異なる形にする

 

097-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION